私たちはみんな新しかった。彼女はそう言って名残のようなグラスをかたちだけ傾ける。みんなぴかぴかで、だから隅々までおたがいを観たかった。けれども私たちはもう新しくない。新しいものは探せばまだある、でも新しいもの自体に飽いてしまった。それが一時的なことなのか、不可逆的に進む老いにまつわる現象のひとつなのか、私にはわからない。けれど対象によらない感情ばかりがからだに溜まるのはそのせいじゃないかと思う。私が、世界に飽いているから。私の世界はもう新しくないから。そうして私はこれから自分の苛立ちに倦んでいろいろなことを遠ざけるような気がしてならない。
May 28, 2011